門司のスパークリングワイン古酒めいて


 酒からし花橘に蟹の脚  樗良 (前夜飲美酒)

 春宵の玉露は美酒の色に出づ  富安風生

 春宵の美酒とは美人注げばこそ  鷹羽狩行

 人夫等に美酒盛れや霜の酒舗  細谷源二 鐵

 美酒あふれ蟹は牡丹の如くなり  渡辺水巴

 美酒に蜂の翅音に酔へりけり  石川桂郎 含羞

 美酒や春の屏風のいろは歌  鈴木鷹夫 風の祭

 美酒を得て春一番を忘じけり  岸本尚毅 舜

 葡萄の美酒夜光の杯や唐の月  月 正岡子規

 墓の巣の浜の姙婦の翳もつ美酒  永田耕衣

 眠薬のあとに美酒あり朧月  林翔

 名曲も美酒も余韻を朝曇  上井正司

 友