田舎路タクシー走れば雉歩く


 粟飯の秋となりたる田舎哉  星野麦人

 蝉鳴いて田舎の子がやって来る アロマ

 移り住む田舎の地図や年始状 高浜虚子

 衣うつよ田舎の果の小傾城  高井几董

 一輛の田舎電車の初電車  山口波津女

 野原行く電車長閑に春めいて アロマ

 田舎路タクシー走れば雉歩く アロマ

 卯の花や田舎がよひも思ひかけ  野坡

 燕の窓にゐならぶ田舎哉  燕 正岡子規

 鴬にこの曙を田舎かな  建部巣兆

 赤阪も田舎になりて蜻蛉かな  河東碧梧桐

 鴬や田舎の谷の礼がへし  許六

 屋根草風ある田舎に来てゐる  尾崎放哉 小浜時代

 何を着