「償いの雪が降る」アレン・エスケンス著

ミステリを読む醍醐味は謎解きだ。
加えて文章と展開がテンポよく進むこと。これがないとページターナーの楽しみに到達できない。

このミステリは謎解きに時間制限を加えているので、テンポと躍動感がうまく絡み合っている。著者が本作品で多くの賞を獲得したと「あとがき」にあるが、文句なしに頷ける。

主人公は21歳のジョー・タルバート。
ミネソタ大学の学生で、大学の近くでひとり暮らしをしている。郷里に残した家族だが、父親はいないし、母親は酒びたり、加えて弟は自閉症で一人では暮らせない。

そのジョーは大学で、「年配者にインタビューして、その年配者の人生を描く」という