脚冷えて暫く続く頭痛なり



 霧のクレーン頭痛の朝をふりまわす 八木三日女 赤い地図

 木の芽ふく頃の頭痛に食ほそり  上村占魚 球磨

 夕垂るゝ藤より重き頭痛かな  久米正雄 返り花

 陽炎に美しき妻の頭痛かな  黒柳召波

 立寄て柳に頭痛さすらせつ  杉風

 流木に蝶の止まりしより頭痛  鈴木鷹夫 千年

 冷まじや一葉遺品に頭痛薬  館 容子

 芍薬に頭痛はげしき女かな  日野草城

 雹降って頭痛も透きとおれば華  清水伶

 椎匂ふ白砂のごとき頭痛薬  鈴木鷹夫 千年

 底冷の頭痛なやめり婦のごとく  下村槐太 天涯

 頭痛して扉の多き家にあり  清水