連載:シニア

「ライバル意識」

あっまだ黄色いオダマキが咲いている。奥様だ。お礼お礼。

「綺麗ですね、オダマキ。ゼラニウムも。先日頂いたオダマキが綺麗にさいたんです。」

こんな事していたら遅刻してしまう。バス停に向かって走り出すオカン。10キロなんて走れなくていい、こうやって身軽に走れるだけで。

これこれ、あの時私はこうした野の花に救われた。ベニバナユウゲショウ。

出かけるスタイルの女性が前を歩いている。もう一人男性がマンションから出て来た。ちょうどいい時間なのだ。

バスが私を追い越した。私は遠慮なく前にいた女性を追い越す。

笑うなあ。どうしても同い年の友人にはライバル意識