アンデルセン童話の主人公

 カレン・ディオンヌの「沼の王の娘」を読了した。著者はオハイオ州出身の作家で、自然環境をテーマにしたスリラーを書いているが、本書の舞台であるミシガン州アッパー半島に30年間住み、主人公のヘレナと同じ様な生活を送ったことがあるそうである。本書は、拉致犯の娘として生まれ、12歳まで沼地で育った主人公が、看守を殺害して刑務所を脱走した無期懲役囚の父親を追う姿を描いた、サバイバル・スリラーであり、2018年度バリー賞受賞作である。なお本書では、現在の時点で逃走?する父親を追うヘレンの姿と、少女時代の彼女の生活の追憶とが、カットバックの手法で描かれている。
 本書