昭和ノスタルジー・Ⅸ 

  成人雑誌
         

その時司門君は君の恋人だった

昨夜からのバンドの練習が終わり

日曜日の朝早くアパートに帰った

もう君は来ていた

「もう来てたの 早いね」 声をかけた

「お帰り」 君はコタツでコーヒーを飲んでた

「!・・・」 僕は凍り付いた

コタツの上に僕の隠してたHな本

立ち尽くす僕に

「すわったら」 おだやかな君の声

でも 目が怖い

僕は君の向かいに正座した

「これ どうしたの」

「友達に  もらった」

「そう」

その後の突き刺さるような沈黙

「男の人がこう言うのに興味を持つの分からない訳じゃないのよ