もう何度となく書いていることなのだが、日記はやはりその日のうちに書いてこそ生き生きとしたものになり得るのではなかろうか。かつてのwakohは記憶力に関する限り、かなり良い方だったかもしれない。けれども、歳とともにそういう能力も衰えてくる。経験している瞬間には鮮明であっても、時間が経つにつれて、鮮明でなくなってくる。茫漠としてくる。それもまたやむを得ぬ現実だ。
日記を書くという行為それ自体が、即座に迅速に出来ていたのに、後でゆっくりとか思ううちに、書くことも出来ぬまま、徒に時は経過していく。
殊に読書ならいざ知らず、耳から聴く音楽などはいっそうそれが著
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