室生寺に夢見る如く石楠花が


 初夢の京に遊びて奈良に寝て  清水青風

 初旅の奈良に鹿今日京に鳩  中瀬喜陽

 書初におろす白穂の奈良の筆  きくちつねこ

 女鹿より男鹿かなしき奈良の秋  鷹羽狩行

 宵闇や鹿に行きあふ奈良の町  内藤鳴雪

 小雪の日とか茶色の奈良に居り  桂信子 草影

 小窓から若草見るや奈良の山  若草 正岡子規

 小男鹿の重なり伏せる枯野哉  土芳(奈良)

 小田の上ミ小笹かなしきおそわらび(奈良富雄、暮石氏居)  細見綾子

 小米花奈良のはづれや鍛冶が家  万乎

 床の梅ちりぬ奈良茶をもてなさん  正岡子規 梅散る

 松の芯供華とす