吊し柿食めば郷愁そこはかと 外山妙子 吊し柿峡の家々灯をともし 千葉惠美子 冬りんご納屋に積まれて眠りをり 林田加杜子 記念日の朝空蒼し冬りんご 小澤克己 繙いて星とメルヘン冬林檎 林友次郎 追伸の本音であらむ冬林檎 甕秀麿 いくつかの窓の灯りて冬林檎 堀本祐子 熱つぽくて歯触り固き冬りんご 谷川爽 美味しい林檎…
今日は11月の定例句会だった。兼題は「霜夜」で、以下は入門歳時記の解説である。 【霜夜】 よく晴れて風もなく、深い霜の降りる夜をいう。夜更けの庭土や垣に早くもうっすらと白く光る霜を見る夜のことである。冬の夜・寒夜の重々しく厳しい感じも、霜夜はとくに寒さは厳しいがほんのり美しい趣もある。 〇兼題:霜夜 入選句 ・霜の夜の眠れぬ闇の深さかな ・蕎麦殻の撒かれし畑霜の夜 ・古時計ぼんぼんと鳴る…
初夢の京に遊びて奈良に寝て 清水青風 初旅の奈良に鹿今日京に鳩 中瀬喜陽 書初におろす白穂の奈良の筆 きくちつねこ 女鹿より男鹿かなしき奈良の秋 鷹羽狩行 宵闇や鹿に行きあふ奈良の町 内藤鳴雪 小雪の日とか茶色の奈良に居り 桂信子 草影 小窓から若草見るや奈良の山 若草 正岡子規 小男鹿の重なり伏せる枯野哉 土芳(奈良) 小田の上ミ小笹かなしき…