連載:日常

歳を取った (自分のためのメモ)

気持ちは、歳を取れないと思う。足の歩く速度が落ちたり、跳躍ができなくなったり、坂道が辛くなったという実感は、日々肉体においては起きる。しかし足や頭を持たない「気持ち」というもの、これは歳をとることができない。足が動かなくなって、あるいは記憶が鈍ったという実感や失敗が、これは歳をとったことなのだと解釈しているだけだ。気持ちには実体(肉体)がなく、観念みたいなものだ。

困ったことに、気持ちは観念みたいなものであるから、いちど歳をとったとガックリと自覚すると、歳をとったことが命題のようになって自分を縛り付ける。

アメリカの女優の語った言葉に、こんなものがあ