星明かり蒼く清かに宵の道 


 四季桜仄か溶け入りそうに咲く  アロマ

 千年の樟の碧が広がって アロマ

 初めての蜆汁赤出汁で美味  アロマ

 うれしさよ柚子にほふ湯にずつぽりと  日野草城

 うれしさをそよぐ痩田の早苗哉  正岡子規 早苗

 うれしさを朝起不食花盛  千川

 うれしとも思ふ残暑に有りけれど  松瀬青々

 うれしと笑みかなしと泣きて花もすぎ  下村梅子

 うれしまま戦禍の麦のくたるなり  長谷川素逝 砲車

 うれしやなけさはねくさが生れ出た  惟然

 うれしやな都出る日の梅日和  正岡子規 梅

 うれし気に回廊はしる鹿の子かな  蝶夢「宰府紀