昭和ノスタルジー・Ⅹ

  あぶない二人



その時司門君は君の寮に居た

門限が近くなり少し会話のスピードが上がる

「帰りたくないな」

「いいわよ」

「え!」

「ちょっと冒険してみたくない」

「でも見つかるとまずいよ」

「大丈夫よ」

僕は君の言うとおり押入れに隠れた

君はわざと会社の同僚を呼んでお茶会を始めた

ありばい作りだな

予想に反して女たちの話がはずむ


「ねえ おきてよ」

「ん あ 寝てた 今何時」

「十二時半よ」

「話し長いよ」

「だって ケイコたち帰ろうとしないから」

「追い返すのも変に思われるし」


二人は布団にもぐってひそひ