連載:旅1

「観光名所を味わい尽くすには」

見た瞬間、「凄い!」と声が出た。今まで見たどんなものより綺麗だ、間違いなく。

どうしてこれ程綺麗なのだろう。両脇の建物がくすんだ色彩だからだろうか。そちらは手付かずに見える。確か何年間も修復作業をしていたはずだが、真ん中にしか手が廻らなかったのだろうか。

幾重にも重なった龍の頭。金色と黒色は最も豪華な美しさだと思っていたが、そこに白色が加わった。

これだけ精緻な彫刻が、ガラスにも守られず、門全体を一回り大きな建物で覆うこともなく、外気に晒されている。スッピンの美女が日傘も差さずに、外に立っている。

大き過ぎないところもいい。両手を広げるとすっぽり