あるお笑い芸人にみる溶々たる生き方

小中高校ではイジメられたに違いない。

胡瓜を彷彿とさせる細面、しゃくれた顎――、まごうかたなき三日月顔。
板垣退助、ジャイアント馬場を凌駕し、花王石鹸ロゴに迫るそのクロワッサン形状。
片方の頬から首筋にかけてアトピーの痕跡が残り、ヘアスタイルに目を移せば、頭頂部が禿げていてコシのないパサパサの髪質。
おまけに歯並びことのほか悪く、欠けた歯がおバカな印象を与えているのだ。
どうひいき目に見てもブサイク顔、否、言い直そう、不気味な面相である。
おしゃれや異性に敏感な年ごろ、彼を襲った悲劇を思うと気の毒でならない。
さぞかし辛い日々を送ったことであろう。