海に降る雪見つつ河豚フルコース



 小葱と和布の味噌汁卵懸け  アロマ

 きりぎりす鳴いて粗食のすすめかな  長谷川双魚 『ひとつとや』

 雲水の粗食を習ひ冬の鯉  後藤比奈夫

 寒麦へ粗食の糞を撒き散らす  右城暮石 句集外 昭和三十年

 吾のみか粗食の目腫れ鋼(まがね)打つ  佐藤鬼房

 粗衣粗食なりし人類はるいちばん  正木ゆう子 静かな水

 粗衣粗食七十二年の花大根  鈴木すなを

 粗衣粗食恙なき日々蕪汁  滝 峻石

 粗食ゆゑにあはれ風邪さへながびくや  大野林火 冬雁 昭和二十二年

 粗食村節穴ともす除夜の鐘  平畑静塔

 窓ひとついつも粗食の鶴がゐし