硝子器に紫陽花色の金平糖


 かんざしは紫陽花色のとんぼ玉  アロマ

 つれづれの小簾捲きあげぬ濃紫陽花  杉田久女

 紫陽花の江戸風鈴涼やかに アロマ

 ふるへつつゼリーが皿に濃紫陽花  福田蓼汀 山火

 紫陽花を買ふ夕暮の河の色  有馬朗人 知命

 野のあちこちに紫陽花冷えた隠し餅  金子兜太

 よごれては運河紫陽花映さずに  松崎鉄之介

 わざはひの遠ざかる色濃紫陽花  廣瀬直人 帰路

  一山に 嫁いで 老いて 紫陽花守  伊丹三樹彦

  七変化 陶土をあやす男の指  伊丹三樹彦

  七変化にてとどまらぬ 花の色  伊丹三樹彦

 三界のあじさい見