昔の山小屋・奥多摩

奥多摩の山小屋(廃業した小屋も含む)

雲取山荘

 昭和30年代まで雲取山荘の番人さんだった富田治三郎さん。昔は秩父鉄道の経営だった雲取山荘の小屋番を長く任されていた方です。健脚の方で朝早く小屋を出て、日原に下りバス、電車を乗り継いで東京都内に行き、用足しを済ませてトンボ返りをして、その日のうちに小屋に戻ったというエピソードを先輩から聞いた。
 泊まりの登山者が小屋に遅く到着しようものなら容赦なく、「山を甘く見るな!!」と、こっぴどく叱られたそうだ。南方からの復員兵で容貌は細身で背が高く、眼光鋭くて精悍だったという。いつも山道の整備のため鎌を持っている