あけび庵の俳句

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金原まさ子の俳句
俳人。東京生まれ。本名:金原 マサ
【俳句】
ああ暗い煮詰まっているぎゅうとねぎ
やわらかな雪降っている魂(たま)揉みや
ひな寿司の具に初蝶がまぜてある
目かくしの土竜の指の花の香よ
ヒトはケモノと菫は菫同士契れ
猿のように抱かれ干しいちじくを欲る
身めぐりを雪だか蝶だか日暮まで
よもつひらさか花合歓は無口の木
月光の茗荷の花となり騒ぐ
フライパン重なり鵙の贄(にえ)増えた
     **
衆道や酢味の淡くて酢海鼠の
雪が降る海鼠に靨(えくぼ)ちらちらちら
世の終り田螺わらうときにっと
雲の峯まっしろ食われセバスチャン
ぷいと