著名な史跡ではないけれど ㉛「山城屋和助」の自殺

結論から言おう。山城屋和助(本名野村三千三)の自殺で一番喜びホッとしたのは山県有朋だろう。彼の自殺がなければ陸軍大将・元帥・公爵・勲一等従一位などの勲章をぶら下げ、日本の軍部・政界の頂点に君臨しつづけた山県有朋はなかったかも知れない。

本書225p~228pは山城屋和助事件である。奇兵隊で活躍した野村(山城屋和助)は当時の上司であった山県有朋から軍人になることを勧められたが、商人山城屋和助の道を自ら選択した。彼は御用商人として陸海軍に軍服を納め、巨万の富を築いた。さらに同じ長州の山県有朋を通じ、兵部省の官金を密かに引き出し、生糸貿易の資金に充当、莫大な