黒髪に黄楊の櫛と花弁と


 光り降る雨には花の影を置く  稲畑汀子

 花の影沈めし水の撓みけり  藤木竹志

 影豊か庭の一画くつろいで アロマ

 しなやかに白壁ゆれて花の影  小島とよ子

 大寺の庫裏をおほふや花の影  秋田建三

 戦ぐ木々影の撓みに新風が  アロマ

 八重桜その名に適ふ花の影  水田壽子

 一輪の花の影おく月の窓  佐藤康子

 硝子窓花影一枝揺蕩って  アロマ

 花の雲へと浮びゆくこころかな  山田弘子

 その一語花の雲より出で來たる  中原道夫

 花の雲公園デビューの子の笑顔  岡田有紀子

 天守閣さらに押し上げ花の