連載:運動

「生きていましょう」

同僚が来月手術をする。そのことをもう一人と喋っている。漏れ聞こえて来る言葉があった。癌。

それから彼女は私にも話した。癌という言葉を平気な顔で使っている。彼女は癌ではない。私は早めに会話を切り上げた。

厭で仕方なかった。たとえ今健康でも、手術から何年経とうと、常に再発のリスクを抱えている。そのことに慣れることなどないのだということを思い知らされる。

彼女に罪はないし、そんなことにいちいち敏感になる私が弱いと言われればそれまでだが、少なくとも病気や何か問題を抱えた人が自分から喋ったのなら別だが、こっちからそれに触れるのはやめようと思った。


先日あ