八王子散歩 ーKさんと安吾と八王子祭りー

ご存知の方も多いだろうが坂口安吾という無頼作家がいた。私のような凡人には彼の作品に、時に腹を立て、時に憧憬の想いをもっていくつかの作品を読んでいる。
梅雨明け以降の暑さの中で思いだしたのが「戯作者文学論」。昭和22年7月8日から7月29日までの凡そ20日間の日記なのだ。日記の内容は先の想いを重ねることになるが、そのことではない。日記の冒頭が夏の暑さから始まる。7月10日「うちの寒暖計、31度。」
11日「猛暑。うちの寒暖計は34度。湿気が多くて、たえがたい。」以降、猛暑、「連日寒暖計は38度をさしている。」酷暑、酷熱、猛烈に暑い、無惨な暑さ、という言葉が