極暑が続いて鈍感になる


 月青くかゝる極暑の夜の町  高浜虚子

 夜も生温き酷暑の風に会う アロマ

 カレーが美味し極暑の真昼時 アロマ

 朽ち仏木に還りつつ極暑来る  野見山ひふみ

 ひたすら眠り暑さ忘れようと アロマ

 牡蠣フライ鯵のたたきで力付け アロマ

 極暑なりくちびる赤きまゝ逝きし  沢木欣一 遍歴

 極暑なるひりひり鹹き鮭食うぶ  長谷川素逝 暦日

  極暑なる野菜炒めの鍋飛び出て  伊藤京子

  極暑の夜父と隔たる広襖  飯田龍太 童眸

 極暑歩む胃に穴多き課長たち  櫂未知子 貴族

 極暑用袈裟鳳凰図召されけり  赤松[ケイ]子