ここしばらく、狭い我が家の庭を顧みることすらなかった。随分久し振りの講演の準備をしたり、書評のための読書をしていたりしていたからだった。その上、体調も芳しくなかったからでもある。
それらを兎も角も一応終えて、ダイニングの出窓から外をふと眺めると、否応なしにグリーン・カーテンが目に染み入ってきた。それを日記に一寸記してみた。
何種類かの木槿が何ヵ所かにある。この暑さにも強い。びくともせずに、毎日花開かせている。どの花も一日だけの運命だというのに。
ところが目を下に、地面の方に移してみた。何と蝉ともう一匹の昆虫がひっくり返って、ぶざまに死んでいる。その
連載:庭の草木・草花など