連載:

「元気を分けて」

急に涼しくなったが、このまま秋に突入することはないと天気予報が告げていた。

朝新聞を取りに玄関を出ると秋の気配だった。

早番なら六時半に家を出るが、今日は8時に出れば間に合う日勤。新しいシューズを履いてみたい。

着替えて周回コースに向かう。暑いから、仕事だからと言い訳ばかりで今週走っていない。

早足で歩く。大抵何人か歩いているのに、誰一人いない。2周目は走った。歩くのと変わらない。

走ったことを子供達にラインした。

私は歩くのが楽しいから歩くのだ、走るのが楽しいから走るのだと思ってきたが、やはり心の底には再発の恐怖があったのかもしれない。