64 信州―小さな旅(2) 小林一茶館

 野尻湖から、小林一茶館に向かった。
小林一茶と言えば、
★やせがえる 負けるな一茶 ここにあり
★雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る

など分かりやすく庶民的な句を詠んだ俳人とだけ知っていた。芭蕉や、蕪村と比べ、庶民生活になかに哀感を感じさせる句を詠んだことで、特長を為しているのではないかと思う。

この度、一茶の郷里―柏原に建つ「一茶館」を訪れ、新たに気づいたことがあった。

1、俳諧で暮らしを立てていくためには、同行の士や門人を多く持たねば暮らしが立ち行かない。一茶は、若いころ、6年をかけ西国を巡り、「西国紀行」を著している。その後、江戸で俳人と