中野孝次著「足るを知る 自足して生きる喜び」は素晴らしい生き方(2)

 老齢と、それに必然的に伴うすべてのものを受け入れなければならない。それを肯定しなければならない。この肯定なくしては、自然が私たちに要求するものに従うことなくしては、私たちの年代の価値と意義は、失われるのである。
 若くても老いても、それぞれ自分の年齢にともなうものすべてを受け入れ、それにふさわしい生き方をする、それが人間の義務、使命だというのだ。
 旅先では、パックツアーのように都市から都市へバスで忙しく移動するのは何も見ないと同じことで、むしろ1つ所に数日じっとしている方がその土地がよくわかると、経験でわかってきた。動くより動かない方が、物をよく見る