娘家族と別れて改札口に向かった。小さな赤ちゃんが若いパパの押すベビーカーで眠っている。
足が可愛い。孫もこんな時があった。振り返って笑いかけた。若夫婦は素直な笑顔を返した。
快速電車の窓には急速に暮れてゆく町並みが流れて行く。私はドアの前でただ眺めた。
電車を降りた。いつものように駅ナカのデパートを突っ切ろうかと思ったが、もういい。
品のいいバッグや靴やスカーフや、強すぎる化粧品の香りや、そこに立つ濃い化粧をした女達や、それ以上お洒落などしなくていいではないかと言いたくなるような女性客の中に入る気がしない。
最近よく樹木希林の本を思い出す。「(