谷崎潤一郎ワールド

谷崎潤一郎の作品が好きなのですが、十余年ぶりに今までに読んでいない作品のひとつの『鍵』を読みました。

大学教授の主人公の男性と妻が、性の営みやその趣向を、おのおのが部屋に隠した日記に記入して、お互いが盗み読みをし、営みの趣向を探り、求め合うというストーリーである。

この小説は、お互いの日記に記入された文章を中心に話しが進む。

さらに、この夫婦の娘にその交際相手である主人公の後輩の大学教授も絡んだ人間模様も展開されている。

この小説では出来事よりも、日記に書かれた主人公や妻の心理や考えの描写に読み手が人間の性への囚われを見ることになる。

まさに、