8、ピョートル大帝と『青銅の騎士』

ロシアの歴史を眺めた時に、ピョートル大帝が現われてからとそれ以前とは天と地ほどの違いがある。
 17世紀までの古いロシアに代わって、ピョートル大帝がヨーロッパと結びつくようになり、国家の仕組みである制度、軍事、行政、教育、習俗に至るまで「西欧化」するため大変革をした。
 それは日本が、明治維新によってすっかりそれまでの体制を改革したことに似ている。それは西欧の世界観や行政のあり方に接して学び、それに倣ったことによるものだろう。
 ピョートル大帝によってなされた、古いロシアと新しいロシアの枠組みの変化を対比してみると、次の点が挙げられるだろう。
古いロシア