あの日、戦車はフェンスを突き破った。「統一会堂(旧南ベトナム大統領府)」

1975年4月30日、この建物の最後の主であったズオン・バン・ミン南ベトナム大統領は、突入した北ベトナム軍に降伏を告げた。尤も、北ベトナム側は、米国の傀儡に降伏の名誉を認めず、ミン氏は、偽物の大統領として再教育キャンプに送られた。しかし、そうは言っても、歴代の大統領の行いを見れば、後にフランス経由でアメリカに亡命が認められたのだから幸運だったと言えよう。

  今、この旧大統領府は、統一記念堂として歴史を学ぶ場として残されている。

  何はともあれ、この東南アジアの小国が、フランスを、そして最強のアメリカを国土から駆逐したことが、この国の誇るべき歴史と