連載:旅1

「凄すぎて書きたくない」

朝はまだあんな風に一人参加を後悔していたのに、2日目のメイン大井川鐵道に乗ったらもう感動感激言うことなし。

大井川が造る渓谷の美しさ、川本来が持つ力強さ、自由奔放さ、雪国新潟の魚野川など到底適わないダイナミックさ。

蛇行する川を取り囲む山々の紅葉は、那須よりも、谷川岳よりも、比べ物にならないほどに故郷雪国に近かった。

赤や黄色やオレンジ色や、緑や茶色やあらゆる色がそこにあり、一つひとつの色が面積を持って盛り上がりを見せる。

小学生の頃学校で周りの山々を写生した。一つの絵の具を絵筆に付けて、ただぽたぽたと判を押すように描いた。色は混ぜない。絵の具箱