思春期にバイクと出会った衝撃は大きかった。うだうだと煩わしい身辺とは一瞬にして隔別し、自分の世界へ。
縦横無尽に走り廻って、何でもかんでも思い通りになるものだと勝手に思っていた。
だけど、そのうちに死の淵を何度か覗いて、その責任も感じて、しだいに世の中に順応していった。
ライダーに人気のお店だった伊賀食堂とか亀八食堂が、旧車会とかハーレーの爆音族によって風紀が乱され、バイクは出入り禁止になっているとか聞く。悲しい話だ。
今、高齢者優待を受ける世代になって、よくぞ生き残ったものだと思うが、幾人かのライダーを見送った。
バイクは、凶器ではない。ペッ