若者が二人、床に座り込んでいる。窓際にはカメラ。ずっと撮っている。何が変化するのだろう。星空なら丸く光の軌跡が写せるが。
楽しそうだ。邪魔しちゃ悪いと微笑ましく見て、その場を離れた。
右手の窓を見た。スカイツリーだ。あの淡い光の輪は東京タワーとは全く違う。
東京タワーの方が圧倒的に力強い。光に温かみがあり、シンメトリーの美しさがある。
スカイツリーは細く儚げで、淡い光を身にまとう長身の美女だ。
それぞれ出来た時代が色濃く反映されている。
ここは東京タワーとスカイツリーが両方好きなだけ見られる珍しい場所なのだ。それも夜景。
展望台を1周した
連載:旅1