本からの引用:「ゲーテの言葉」

「ゲーテの言葉」

高橋健二訳編(彌生書房)


 <自然>

● 最も不自然なものもまた自然である.至る処に自然を見ない者は,どこにも自然を正しく見ない,自然の劇は常に新しい.何故なら彼女は常に新しい観客を作るから.生命は彼女の最も美しい発明である.人は自然の法則に従っている.たとえその法則に反して働いているような時でも.自然の絶頂は愛である.愛によってのみ人は自然に近づく

● なぜ私は結局もっとも好んで自然と交わるかというに,自然は正しく,誤りは専ら私の方にあるからである.これに反し,人間と交渉すると,彼らが誤り,私が誤り,更に彼らが誤るというふう