6  「等伯」 読書感想 その2

今、「直木賞」受賞作の「等伯」を読んでいる。絵師長谷川等伯の話である。狩野永徳とほぼ同時代の絵師だということで、絵の特徴や流派のことが書いてあるのかと、買いはしたが、「積読」状態だった。ところが、読み始めてみると、面白くなり、断続的ではあったが、今、下巻の後半を過ぎ、残り100ページほどとなった。日本画の書き方についても、書かれているが、この書は、戦国時代に生きた絵師の生涯であり、信長・秀吉の全国統一へ至る歴史の裏面をえがいている小説だともいえる。戦乱の中を、命を賭して、絵の道を歩み、やがて大寺院や大名の注文する襖絵も書かせてもらえるまでに、その技量を上