「百寺巡礼 第3巻 京都1」 五木寛之著 講談社文庫
2008年11月14日発行
ー第21番 金閣寺
休筆期間中は、京都市左京区の聖護院というところに住んだ。
一応、京都の市民として生活した。
しかし、通算6年にわたって京都の街に住みつき、毎日のように歩いていても、しょっちゅう行くところもあれば、不思議と縁遠い場所というものもある。
初代将軍尊氏のころから、この南北朝の統一は宿願だった。そしてついに、3代将軍義満がそれを成し遂げた。
金閣の作庭を担当したのは、おもに石立僧だった。その石立僧の指示で作庭に汗を流したのは、当時、山水河原者と呼ばれた