平野啓一郎「マチネの終わりに」

未来は常に過去を変える。

映画監督イエリコ·ソリッチの娘、洋子は18才の蒔野の演奏を20年間覚えていた。
演奏会のあとの出会いは二人にとって特別なものとなった。
離れがたい二人はメールを繰り返すが、突然洋子からの返信がなくなる。
フセイン政権崩壊後のバグダッドで取材中の洋子は自爆テロに遭遇していた。
テロの報は日本に届く。バグダッドでの悪夢から洋子はPTSDに悩まされていた。最後のメールから一月半後、パリに戻った洋子からメールが届く。
パリでの再会。時計の針が再び回り始める。
東京で結ばれる二人だったが、時計の針は逆回転する。蒔野に恋心をいだくマネージ