また梅のことに戻れば、読んで下さるごくわずかな方でさえ、いい加減うんざりされるかもしれない。
それでも、この時期はサクラではない。どうしても梅だ。
わが苫屋の雑然とした裏庭に、苔生した老梅のあることは、先刻報じたとおりだ。今までは恥じて触れなかったのだが、その苔は古さの象徴ではあるのかもしれない。
衰えて、花開くこともなくなるかと思いきや、5番目に最も遅れてではあるが、早春の日差しを受けて、とうとう花開き出した。これから暫くは楽しみになりそうだ。
散々書いた老紅梅は、流石に盛りは疾うに過ぎ、大部分散ってしまった。
2番目の書斎脇の目立たぬ梅
連載:庭の草木・草花など