遠雷をいぶかる幼児顔上げて  



  3月9日 朝冷え込む 

  野沢菜の漬物が美味しい おろし大根 豚汁


 
 古代ガラスの中が灯りぬ遠き雷  加藤瑠璃子「蒼き隠岐」

 木の無花果食ふや天雷遠き間に  西東三鬼

 柚子切るやゆるやかな雷遠くから  加藤秋邨

 隣家麦を炒る香をやめず雷遠し  蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣

 遠雷やにわかに背鰭打ち震え  高澤晶子

 遠雷やはづしてひかる耳かざり  夕爾

 遠雷をいぶかる幼児顔上げて  アロマ

 遠雷やひとり昼餉の青菜汁  石橋秀野「桜濃く」

 遠雷に 敏きも 梢の沙羅の花  伊丹三樹彦

 遠雷や汁椀に盛る具沢山