伊豆の宿窓の借景風情あり  


  夕食はおでん  秋刀魚の干物

  

 幾度か松の花粉の縁を拭く  高浜虚子

 鬼ゆりのあふれる花粉渇水日  坪内稔典

 吉野よく見つ松の花粉のとぶことよ  原裕 青垣

 空をゆく花粉の見ゆるエレベーター  大野朱香

 花粉症でなくとも何故かむず痒い  アロマ

 荒天の高知菜の花粉微塵  金子兜太

 佐渡見んと大虎杖の花粉浴び  宮坂静生 春の鹿

 手に受けて通草の花粉濃むらさき  ふけとしこ 鎌の刃

 書院の縁に松の花粉や掃けば飛ぶ  河野静雲 閻魔

 黄の花粉もたげて白き百合の花  アロマ

 月見草のつぼみのさきに花粉かな