3月1日
心の中に桃の枝をひと枝飾りながら
春の扉をノックした
コンコン・・・
「そう慌てなさんな」
答えるもの面倒臭そうに
冬将軍が扉の向こうで返事をした
まだ
そう簡単には出て行く気もないらしい
仕方がない
もう少し待ってやろうか
3月15日
春の扉を再びノックした
コンコン・・・
「ちょっと待ってくれよ。
まだ帰り支度が済んでいないんだ。
でも、その前にまたすぐに出かけなきゃならん」
南の方から
そろそろ桜の便りも聞こえてきそうな頃
さすがに
奴もようやく
少しは帰る気になってきているようだ
ここまで来た