歌集「天翔ける夢」 赤坂澄子著 水煙短歌会
平成12年4月1日発行
ー夢さめて手さぐりに書く短歌幾首天翔けて見る故里の庭
炎天の畑に30年のデラを伐る李巨峰に替ふる5反歩
いただきて何やら侘し65歳吾に届きし老人医療手帳
去年の実に混じりて青き円ら実の夏蜜柑匂ふ故里の庭
飲まぬ夫が酔ひたるさまに歌ひをり甲州盆唄はらからの宴に
姉よりも其の姉よりも節高く農婦となりて40年吾が掌
夫は今日何に心の浮き立つや剪定しつつ口笛を吹く
房総の友の作りし蓬餅宅急便に届く雛の節句
米に花に蜜柑栽りて古里の農する友の腰屈まれり
1か月余を吾が臥しをれば老