「壬生義士伝」上 浅田次郎著 文芸春秋
2000年4月30日発行
ーこの本を読むきっかけは、お気に入りさんの1人がもっとも泣ける小説のベストワンとして推薦していたのと、偶然、ブックオフで、僕が見つけたので読みました。
ー新選組の者。
南部盛岡は20万石の大藩。
何年も昔に脱藩した者の顔。
吉村貫一郎にござんす。
諸般の情勢が明らかになるまでは一切事に関わるべからず、という命により、この不穏な落武者を斬って捨てることも、彦根屋敷につき出すこともできなかった。
蔵屋敷差配役を務める大野次郎右衛門。
脱藩者とはいえ、倒幕勢力が何よりも憎む新選組の残