浅田次郎の他の短編集を読んだ時に本作のことを知り、購入していた。購入してから時間が経っているため、本作のどこが気になって購入したかは既に忘れてしまった。本書は表題作の「帰郷」を含め、何らかの形で戦争の影響を受けた人々の物語を描いた短編6編が収録されている。短編ながら完結した物語世界を紡ぎ出す著者の筆力はさすがである。ただ魅力的な作品群かと問われると、少々微妙と答えざるを得ない。本書の作品群は戦…
浅田次郎の「母の待つ里」を読了した。著者は直木賞作家であるが、自衛隊入隊や一時期企業舎弟をしていた等、ユニークな経歴の持ち主である。作風は広く、極道小説、時代小説、中国歴史小説、現代小説など多岐に渡っており、「小説の大衆食堂」を自称している。本書は、故郷を持たない人々のために、カード会社が企画した「理想のふるさと」サービスを利用した三人のアラカンの人々の姿を描いた、疑似家族小説である。 物語…
浅田次郎の「兵諌」を読了した。著者は直木賞作家であるが、自衛隊入隊や一時期企業舎弟をしていた等、ユニークな経歴の持ち主である。作風は広く、極道小説、時代小説、中国歴史小説、現代小説など多岐に渡っており、「小説の大衆食堂」を自称している。本書は、「蒼穹の昴」、「珍妃の井戸」、「中原の虹」、「マンチュリアン・リポート」、「天子蒙塵」に続く、著者の中国歴史小説シリーズの第六部である。本書は、中国にお…
1.とられてたまるか! (1991.01) 2.きんぴか (1992.01) 3.きんぴか 2 -気分はピカレスク- (1993.02) 4.プリズンホテル (1993.02) 5.日輪の遺産 (1993.08) 6.初等ヤクザの犯罪学教室 (1993.12) 7.きんぴか 3 -ピカレスク英雄伝- (1994.02) 8.地下鉄(メトロ)に乗って(1994.03) 9.プリズンホテル 秋 (1…
浅田次郎の「流人道中記 (上、下)」を読了した。著者は直木賞作家であるが、自衛隊入隊や一時期企業舎弟をしていた等、ユニークな経歴の持ち主である。作風は広く、極道小説、時代小説、中国歴史小説、現代小説など多岐に渡っており、「小説の大衆食堂」を自称している。本書は、切腹を拒否して流人となった大身の旗本青山玄蕃の言動を、押送人の石川乙次郎の眼を通して語る、武家社会の矛盾を描いた、一種の人情時代小説で…
浅田次郎の「大名倒産 (上、下)」を読了した。著者は直木賞作家であるが、自衛隊入隊や一時期企業舎弟をしていた等、ユニークな経歴の持ち主である。作風は広く、極道小説、時代小説、中国歴史小説、現代小説など多岐に渡っており、「小説の大衆食堂」を自称している。本書は、積もりに積もった借金の返済に疲れ、大名家倒産を図る先代と、それを防ごうとする当代大名の苦労を描いた、一種の人情時代小説である。 越後の…
浅田次郎の「天子蒙塵 第四巻」を読了した。著者は直木賞作家であるが、自衛隊入隊や一時期企業舎弟をしていた等、ユニークな経歴の持ち主である。作風は広く、極道小説、時代小説、中国歴史小説、現代小説など多岐に渡っており、「小説の大衆食堂」を自称している。本書は、「蒼穹の昴」、「珍妃の井戸」、「中原の虹」、「マンチュリアン・リポート」に続く、著者の中国歴史小説シリーズの第五部である。本巻は第五部の完結…