連載:コロナ

「誰かぁ~!」

リビングの窓から見える隣の家は、お風呂場とトイレ。境のフェンスまで一メートルにも満たない地面に、男性がしゃがんでいる。ガスの検針だろうか。

まだいる。若い男性だ。何か故障した所を直しているのだろうか。

私は暇に任せてタオル類や冬物やらを何度も洗った。昨夜洗った物が乾いたら取り込みにも出る。風が強くて、山野草を移動したりもした。

私は話し掛けなどしない。都会のオバアだ(笑)。

何度目かに出た時だ。
「何をしているんですか?」
とうとう話し掛けてしまった。給湯器の交換だと言う。

「コロナの影響ありますか?」
「はい。キャンセルされる事があります。」