遺伝と環境

4年前に亡くなった母は、親としてあるまじき自分ファーストだった。
夫から受け取った少ない家計の中から毎月の美容院代は欠かさなかったから、私はそれを憎んで、パーマというものはかけたことがない。三ヶ月一度の千円カットだけである。
自分の御膳は特別にお刺身を一品つけて、わたしの非難には、あんた達はおとなになったらいくらでも美味しいものを食べなさいよ!と言い放っていた。
遺伝は誕生時に最大で年齢と共に環境や努力で影響が減少すると思っていたらそうではないのだという。
年取ったら親に似てくるのである。
わたしも親の言いつけどおり朝から美味しいものを好きなだけいただい