連載:読書

「『ペスト』が手に入った」

イオンに向かった。私は地震雷と続いた後の晴天に浮かれていた。浮かれる理由はまだあった。


朝一番でかかりつけ医に行った。血圧ノートを持参して。4月末は誰一人客はいなかったが、今朝はマスクをした婆様が直ぐにやって来た。

医院はまだ開いておらず、中から賑やかなオバサン達のお喋りが聞こえて来た。テレビ等で流される医療従事者の悲壮感などとは無縁の大きな声で、時折笑い声も聞こえて来る。

9時になり、玄関が開いたので中に入った。婆様とは離れて座る。

「少ないねぇ」
と、惚けた事を言うので、受付に断り一度帰宅した。ちょうどお薬手帳も忘れたことだし。

直ぐにま