愛を振り込む

3日前のことだった。

いつものように、PCをチェックしていた
夫が「お~い」とキッチンに居た私を
大声で呼んだ。

「何?」
「ネットバンキングで確認したら20万円が
振り込まれているよ。」

「あら、そうなんや。良かった!」
「このまま、キミの口座に10万円振り込む
から、何か好きなものを買ったらいいやん」

夫は、またPCに向かい、カチャカチャと何かを
していた。

「今、振り込んだぞ!ネットは早いなぁ」
「ありがとう…」

嬉しいけれど、少し複雑な気持ちになった。
私は、既に思いきり道楽に使っていた。

「…実はね、もう絽の夏帯を買ったの…」